第85回分子生命科学セミナー

医工連携研究による先端バイオイメージングの発展

                           川上 良介  准教授

愛媛大学大学院医学系研究科 分子病態医学講座

日時:1月30日(火)18:00 - 19:00

場所:臨床小講堂(3113)

光学顕微鏡によるバイオイメージングは医療現場や基礎研究領域など、様々な場所やシチュエーションで手にする機会も多い精密機器であり研究法であるが、意外とその原理・構造や利用法について教わる機会は中学や高校までという場合がほとんどである。本講義では顕微鏡の歴史からその光学的な原理を解説し、一般的な光学顕微鏡の基礎的な知識の確認から始める。そして、共焦点顕微鏡を始めとしたレーザー走査型顕微鏡の光学的な原理や、さらには蛍光イメージングについての解説の後、最新の多光子顕微鏡による多次元イメージングについて理解を深めてもらう。そして、より良いバイオイメージングを達成するための重要な要素として、観察サンプル側の工夫を紹介する。一般的にはスライドガラス上の切片もしくは、培養細胞を観察することがほとんどであろうが、近年発展してきた組織透明化技術は様々なサイズ・大きさのサンプルを可視化できることから、バイオイメージングの可能性を大きく広げてきた。近年我々の実施してきている医工連携による先端バイオイメージングの応用可能性として、透明化技術と超解像顕微鏡、多光子光学顕微鏡によるライブイメージングのポテンシャルなと、様々なバイオイメージングの実例を紹介する。さらに、新たに開発しているヒト病理標本ブロックやマウス生体における個細胞レベルの多次元イメージングの有用性について議論していきたい。

 

セミナーに関する問い合わせ:

 

分子生命科学講座 副島英伸(内線2260) soejimah@cc.saga-u.ac.jp


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