第74回分子生命科学セミナー/大学院特別講義



演題

これって遺伝?を調べる —正常形質から病気まで—


演者:要 匡
国立成育医療研究センター ゲノム医療研究部 部長

日時:平成28年9月23日(金)18:00〜19:00
場所:臨床小講堂3113室


要旨

 1865年にG.J.メンデルがBrno自然協会で「メンデルの法則(遺伝粒子の概念)」を発表するより遥か昔、ヒポクラテスの時代から「子が親に似る」ことはよく知られており、何が似るのか、という疑問から人類遺伝学の歴史は始まりました。そして人類遺伝学は、例えば、瞳の色、耳あか型(湿型、乾型)など、経験的に遺伝するのでは、と思われていた形質の詳細を、科学的に明らかにしてきています。
 一方、病気について、A.E.ギャロッドが、1902年に、アルカプトン尿症の発症がメンデルの遺伝の法則に従うことを発見し、「遺伝医学」が始まりました。そして現在、海外では、医学・医療において、未来を担う分野の一つとなっています。
 本講義では、まず、昔から知られている、有名な「遺伝」する身近な性質(形質)について、歴史などを簡単にお話しし、次に、オバマ大統領が2015年に発表した’Precision Medicine Initiative’に代表される「ゲノム医療」、特に2015年より日本で開始された、小児希少・未診断疾患イニシアチブについてお話します。


セミナーに関する問い合わせ:
分子生命科学講座 副島英伸(内線2260)

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