第59回分子生命科学セミナー/大学院特別講義
平成24年度 第1回総合分析実験センターセミナー


演題

粒子状物質が有するTh2アジュバント効果


演者:黒田 悦史
産業医科大学免疫学寄生虫学研究室 講師

日時:平成24年6月19日(火)18:30〜19:30
場所:3114室(臨床小講堂2)


要旨

 アレルギー疾患の増加は社会問題の一つとなっている。アレルギー性炎症には血清IgEや好酸球活性化などが関与するが、これらの反応はII型(Th2型)免疫反応によって誘導される。興味深いことに、煤塵、ディーゼル粒子、砂塵、ナノ粒子などの微小粒子状物質の多くがII型免疫反応の誘導を促進する効果があることが報告されており、このような物質をTh2アジュバントという。Th2アジュバントは近年のアレルギー疾患の増加に関連しているとも考えられているが、そのメカニズムについては長らく明らかにされていなかった。しかしながら、シリカやアルミニウム塩などの粒子状物質による免疫活性化のメカニズムが最近になり徐々に明らかにされてきている。ここでは、最近明らかにされてきた粒子状物質によるTh2アジュバント効果のメカニズムについて国内外の研究報告とともに私たちの研究成果を交えながら概説したい。

セミナーに関する問い合わせ:
分子生命科学講座 原博満
(内線2294)


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