Department of Biomolecular Sciences |
第46回分子生命科学セミナー/大学院特別講義演題 免疫系細胞高次機能を司るCDMファミリー分子DOCK2 免疫系は生体にとって感染に対する必須の防御機構であるが、一方免疫応答したための病態、例えば自己免疫疾患・移植片拒絶は、現代医学が解決すべき問題としてクローズアップされている。CDMファミリーは線虫から哺乳類に至るまで保存された分子で、低分子量Gタンパク質の上流で機能することで細胞骨格の制御に関わっている。私達は、免疫系特異的に発現するCDMファミリー分子としてDOCK2を同定し、この分子がケモカイン受容体やT細胞抗原受容体の下流で機能し、Rac活性化を介して、リンパ球遊走・免疫シナプス形成・ヘルパーT細胞の分化等、種々のリンパ球機能を制御することを明らかにした。また最近では、DOCK2がリンパ球のみならず、自然免疫系の細胞においても重要な役割を演じることを見いだしている。本講演では、DOCK2の機能やシグナル伝達、細胞内動態制御に関して、最新の研究成果も含めて紹介すると共に、DOCK2を標的とした創薬研究の現状についても言及したい。 参考文献
セミナーに関する問い合わせ:分子生命科学講座 出原賢治(内線2261)
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