Department of Biomolecular Sciences |
第27回分子生命科学セミナー演題:新規アダプター分子によるB細胞機能の制御機構 内容B細胞表面の抗原受容体(BCR)は、生体内において2つの重要な働きを担っている。第一に、BCRはB細胞の生存、増殖、分化の決定に必要なシグナルを伝達する。第二に、BCRは抗原のプロセシングならびに提示に関与しT細胞の活性化を誘導する。我々は、ヒトのgerminal center (GC) B細胞に高く発現している新規アダプター分子 Bam32を単離した。Bam32は、チロシンリン酸化蛋白と結合するSH2ドメイン、phospholipidと結合するPHドメイン、1か所のチロシンリン酸化部位を保持していた。chicken DT40細胞ならびにマウスのノックアウトの結果より、Bam32はB細胞の増殖に必要なBCRシグナル伝達経路を制御していることが判明した。また、近年Bam32は抗原プロセシングの初期段階である BCR internalizationを制御することも判明した。以上より、Bam32はB細胞に特異的に発現し、BCRの2つの働き(シグナル伝達と抗原提示)を繋ぐ重要なアダプター分子であることが示唆される。 参考文献1. Allam A, Niiro H, Clark EA, Marshall AJ.
J Biol Chem. 2004;279(38):39775-82. セミナーに関する問い合わせ:分子生命科学 出原(内線2261)
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