佐賀大学医学部 分子遺伝学エピジェネティクス分野

ご挨拶 2018年

教授 副島英伸

私たちの研究室のHPをご覧いただき、ありがとうございます。
2007年に教授を拝命して11年が経過しました。この間、大学、研究、教育を取り巻く環境はめまぐるしく変化してきました。しかしながら、どんなに世間の潮流が変わっても、研究、教育に対して真摯に向き合うことが重要なことに変わりはありません。このことを教室員全員が常に意識して、研究、教育に取り組んで参りました。研究では、ゲノムインプリンティングを中心テーマに据えて、Beckwith-Wiedemann症候群やSilver-Russell症候群などのインプリンティング疾患の遺伝子解析、遺伝子改変マウスや培養細胞を使ったインプリンティングの制御機構の解明を行ってきました。教育では、進歩著しい分子細胞生物学に加え、これからのゲノム医療を見据えた遺伝医学を開講したところです。
今後もゲノムインプリンティングを中心としたエピジェネティクス研究を推進するとともに、最先端の臨床につながる医学教育を進めていく所存です。

2018年8月
佐賀大学医学部 分子生命科学講座
分子遺伝学・エピジェネティクス分野
教授 副島英伸

ご挨拶 2010年

私たちの研究室では、エピジェネティクスをテーマに研究を進めています。エピジェネティクスとは、DNA配列の変化を伴わない遺伝子の発現制御機構のことで、ポストゲノム研究としてホットな領域です。エピジェネティックな遺伝子発現調節には、DNAメチル化、ヒストン化学修飾、クロマチン・リモデリングが深く関与しています。私たちは、エピジェネティクスの中でも特にゲノムインプリンティングと癌、およびクロマチンと転写制御を研究テーマとしています。インプリンティングは哺乳動物の発生・発育に重要な働きをしており、その破綻は先天異常や癌の発生に関わります。癌では多くの癌関連遺伝子がメチル化により不活化されて、発癌や悪性度に関連していることがわかっています。さらに、エピジェネティックな異常が生活習慣病や精神神経疾患などの様々な疾患に関与していることが明らかになってきています。
私たちは、これらのエピジェネティックな異常が起こるメカニズムを明らかにし、疾患の病態や様々な生命現象の解明を目標に研究を進めています。

平成22年8月
佐賀大学医学部 分子生命科学講座
分子遺伝学・エピジェネティクス分野
教授 副島英伸