Research

配列の変化を伴わない遺伝子の発現制御機構のことです。私達のグループは、エピジェネティクスの中でも特にゲノムインプリンティングと癌を中心にその機構を解明するための研究を行っています。インプリンティングとは我々の持つ遺伝子の一部で見られる現象で、父親と母親からもらった二つの遺伝子の内のどちらか一方が発現するという面白い現象です。

このインプリンティングは哺乳動物の発生・発育に重要な働きをしており、その破綻は、ある種の遺伝病や癌の発生に関わります。インプリンティングには、エピジェネティクスの中でもDNAのメチル化とヒストンの化学修飾が重要と考えられていますが、そのメカニズムは解明されていません。また、癌では多くの癌関連遺伝子がメチル化により不活化されています。このメチル化による遺伝子の不活性化は発癌や癌の悪性度の進展の重要な原因の一つとなっています。

私達のグループでは、これらのエピジェネティックな変化が起こる機構とそれが遺伝子発現に影響する機構の解明を目標に研究を進めています。

インプリンティング遺伝子と通常の遺伝子

細胞のがん化には多くのがん抑制遺伝子の不活性化が必要

遺伝子発現のエピジェネティックな制御