Department of Biomolecular Sciences  | 
  
第89回分子生命科学セミナー・大学院特別講義 網羅的遺伝子解析による希少疾患の遺伝子診断 才津 浩智 教授 浜松医科大学 医化学講座教授 日時:11月10日(月)17:30 - 18:30 場所:看護学科棟 講義室1(5101号室) ヒト疾患は、遺伝要因と環境要因の相互作用によって生じます。メンデル遺伝病を代表とする希少疾患では遺伝要因の影響が大きく、近年は次世代シーケンサーを用いた網羅的遺伝子解析(遺伝子のエクソン領域を網羅的に解析するエクソームシークエンスや、ゲノム全体を対象とする全ゲノムシークエンス)によって、多数の原因遺伝子が同定されてきました。これらの成果により、多くの症例で遺伝子診断が可能となり、個別化医療への展開が期待されています。一方で、遺伝子解析で同定されるバリアントの病的意義の解釈はしばしば困難であり、また原因不明例は依然として約半数を占め、原因特定には新たな解析技術の導入が求められます。 本セミナーではまず、遺伝学の基本概念と次世代シークエンサーを利用した網羅的遺伝子解析について概説し、診断率向上への貢献や、診断が治療選択に直結した事例を通じて、その有用性を示します。そして最後に、未解決例の原因特定に向けた私たちの取り組みとして、尿由来細胞を用いたトランスクリプトーム解析についてご紹介いたします。 
 セミナーに関する問い合わせ: 
 分子生命科学講座 副島英伸(内線2260) soejimah@cc.saga-u.ac.jp 
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