第69回分子生命科学セミナー/大学院特別講義


演題

CRISPR/Casゲノム編集法による医学・生物学革命!


演者:畑田 出穂
群馬大学生体調節研究所 ゲノム科学リソース分野 教授

日時:平成26年7月4日(金)18:00〜19:30
場所:臨床小講堂3113室


要旨

  ごく最近、CRISPR/Casという@迅速・簡便に、A複数の遺伝子を同時にノックアウトできるゲノム編集技術が開発された。この方法を用いるとターゲット遺伝子と相補的な20-mer程度のRNAをデザインし、Cas9というDNA切断酵素とあわせて細胞に導入するだけで、その部位を特異的に切断することができる。そのために非常に簡単にノックアウト細胞、さらに受精卵へ直接注入すればノックアウトマウスが迅速に(約1カ月で)作製できる。このようにTALENなど従来のゲノム編集技術と比較してもメリットの多い技術として、発表後1年も満たないなか爆発的な広がりを見せている。まさに、マウスを酵母のように扱った遺伝学が行える時代が到来したと言えよう。一方でCRISPR/Casには、誤解や、解決の待たれる課題も存在している。本講演では、CRISPR/Casゲノム編集の最新の現状とノウハウについて概説するとともに、我々の開発したCRISPR/Casを用いた半数体による高効率ゲノム編集法などについて発表する。



セミナーの後に分子生命科学講座 西岡憲一講師による以下のshort talkを行います。
「佐賀大学医学部におけるCRISPR/Cas9システムの応用と遺伝子改変動物作製の学内向けサービスについて」

 

セミナーに関する問い合わせ:
分子生命科学講座 副島英伸 (内線2260)

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