Department of Biomolecular Sciences |
第38回分子生命科学セミナー/大学院特別講義演題 癌を支える炎症メディエーターの発見 -乳酸の新機能- 1931年にノーベル医学生理学賞を受賞したDr. Ott Warburgは、「癌細胞は、酸素存在下でさえ解糖系を亢進している。」ことを発見しました。その後約80年の間に、Warburg効果として知られるその現象の分子メカニズムは、多くの研究者によって研究され、明らかにされています。私たちは、Warburg効果の結果、細胞外に多量に排出される乳酸が、単なる解糖系の最終代謝産物としてだけでなく、実は、癌組織に炎症を誘導するメディエーターとして働くことを発見しました。今回のセミナーでは、癌の微少環境に与えるWarburg効果の新たな役割と効果的な抗癌免疫誘導に必要な戦略について討議したいと思います。 セミナーに関する問い合わせ:分子生命科学講座 原 博満(内線2294)
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