生活習慣病と食事?

 食生活を含めた生活スタイルによって引き起こされる病気を「生活習慣病」と呼んでいます。食習慣、運動習慣、喫煙などが主に関係する病気で、肥満、高脂血症、糖尿病(2型)、高血圧症などがその代表です。これらの病気は日本人における死因の上位を占める心臓病(動脈硬化症)、脳卒中、ガンなどの引き金となります。肥満とは体重(kg/身長x身長(m)で計算したBMI25以上をいいます。とくに内蔵型肥満が病気と関係が深いことが認められています。血液中の脂質濃度が高くなる高脂血症には、高コレステロール血症(250mg/dl)と高中性脂肪血症があります。高血圧症とは最高血圧140mmHg以上, 最低血圧 90mmHg以上をいいます。糖尿病は1型、2型の2種類がありますが、生活習慣病と関係する2型糖尿病では、糖代謝に関係するインスリン分泌の異常ではなく、インスリン受容体の働きが悪くなる(インスリン抵抗性と呼びます)ことで高血糖(空腹時血糖が130mg以上)になる病気です。

 生活習慣病は名のごとくおもに生活習慣が病気の一因となるため、多くは予防することができます。一次予防としては、早い段階から生活習慣を見直して予防を心がけ、健康的な生活を送ることが重要です。とくに食生活や身体活動を見直すことが大切です。

 20055月に労働厚生省から「日本人のための食事摂取基準2005年度版」が出されました。これは、日本人の健康な人が必要とする栄養所要量を年齢別、男女別に示したものです。そのなかには、生活習慣病の予防のためには、どのような食事成分をどれだけ摂取したらいいかの基準(上限と下限)も示されています。生活習慣病は食生活の改善で予防することが明らかにされていますので、生活習慣病を予防する機能性食品についての研究と応用が進んでいます。その一部は、ヒトでの研究エビデンスに基づき労働厚生省が特定保健用食品としてお墨付きが与えられています。しかし、十分な研究がされていないにも関わらずテレビなどマスコミで過大に宣伝されているいわゆる健康食品もありますので注意が必要です。皆さんがマスコミに踊らされず、科学的思考が出来るような素養を身につけることが重要です。