研究課題名 カテキン/イソフラボン含有食物摂取によるアレルギー疾患の予防
研究者 浜崎雄平(佐賀大学医学部)
出原賢治(佐賀大学医学部)
石丸幹二(佐賀大学農学部)
研究計画の概要 カテキン/イソフラボンは抗酸化作用を有する活性物質であり,お茶,ぶどう酒/大豆などの農産物に多く含まれている.ところで,アレルギー症状を惹き起こすメディエーターのなかで最も重要な物質のひとつであるロイコトリエン,プロスタグランディン類は脂肪酸の酸化によって細胞構成膜から合成され,抗酸化物質によりその合成は阻害される.抗ロイコトリエン薬(受容体拮抗薬)は現在喘息の中心的な日常管理薬として広く使用されており臨床的に有用な薬剤である.したがって,食物として安全に摂取されるカテキン/イソフラボン類は抗酸化作用を介してアレルギー反応を抑制することが期待される.本研究ではカテキン/イソフラボン化合物の1型アレルギー反応に対する抑制作用とその機序,Th2サイトカイン発現に対する抑制作用の有無とその機序を明らかにする. 更に,食物として体内に取り込まれたこれらの化合物が生体内でどのような動態を示すかを明らかにし,アレルギー疾患を有する患者において,その役割を検討する. 次に,抗アレルギー作用を有するカテキン/イソフラボン類が佐賀県で産生される農作物より抽出・利用できないかどうかについても検討したい
研究実施計画 培養肥満細胞を用いたカテキン/イソフラボンの抗アレルギー作用の解析
精製した(農学部)カテキン/イソフラボン化合物の抗アレルギー作用(ロイコトリエン産生抑制)を現在使用している培養肥満細胞を用いた実験系(医学部)で検討する.同時にTh2サイトカインに対する作用も検討する.

緑茶/大豆製品摂取によるカテキン/イソフラボンの血中動態の解析

カテキン/イソフラボン製剤もしくはカテキン/イソフラボンを多く含む食品を摂取すると実際に血中にその代謝産物がどの程度検出できるのかをヒトの検体(医学部で採取)で測定し(農学部)アレルギー疾患との関連を検討する

平成17年以降
  食品に含まれる新規のカテキン/イソフラボン化合物を抽出・合成し,実際に抗アレルギー食品としての利用にむけて可能性を検討する.

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